【己書を始めたい方へ】自分の道具を揃えてみよう!! 己書に使用する備品大公開♪
己書とは?
己書とは?
己書とは、筆ペンで絵を描くように文字を描く書です。
上手く描くことよりも楽しく描くことが大事な世界なので、字や絵に自信の無い方でも気軽に取り組んでいただけます。
己書J’s道場は愛知県安城市を拠点として、岡崎市・知立市・刈谷市などの三河エリアで己書道場を開催しています。
そして己書をする上で欠かせないのが筆ペンを始めとする道具たち。
ここでは、そんな相棒たちを紹介します。
己書の主役、筆ペンたち
己書を描くうえで欠かせないのが、何といっても筆ペンです。
単に筆ペンといっても様々な種類があり、描く内容によって使い分けています。
日本己書道場公認筆ペン
左から順に中字、太字、面相となっています。
これらは筆先の太さを表しており、面相は筆先が細くなっているため細い字を書くのに便利です。
公認筆ペンは道場師範経由での購入となりますので、購入希望の方は入門した道場の師範にご相談ください。
随時新しい種類の筆ペンも開発されていますので、気になる方は道場師範にお問合せください。
ぺんてる筆ペン
左から順に
染料インク中字
顔料インク極細
顔料インク中字
うす墨中字
メインで使っているのが顔料中字と、うす墨中字です。
基本的にこの2本があれば何でも描くことができるといっても過言ではないです。
ぺんてる筆ペンは一般量販店の文具コーナーで取り扱われているので、購入しやすいのもメリットです。
日本己書道場公認筆ペン 水墨シリーズ
左から順に、藤紫、深草、セピア、茄子紺、葡萄の5色
染料インクの筆ペンです。
この子たちは普通に筆ペンとして使ってもいいのですが、インクを水で薄めて絵の具の様に使うことで水墨画の様な味わいを出せ、本領発揮となります。
この筆ペンも道場師範経由での購入となります。
日本己書道場公認筆ペン 細彩ペンささやき
これまで紹介した筆ペンとは異なりかなり小ぶりなペンです。
この子は、とても細い字が描けます。
ぺんてるの極細や、己書公認の面相も細字用ですが、細い字を描くのはとても難しいです。
しかし、このペンなら簡単に細い字が描けます。
お題によってはこのペンを貸し出しして描いてもらいますが、使い心地が非常に好評で、その場でお買い上げの方も多い人気のペンです。
あかしや 彩 極細毛筆 ThinLINE
あかしやというメーカーの「彩」シリーズも便利な子たちです。
この5色セットは顔料インクの墨色、青墨、水浅葱、千歳緑、檜皮色となっています。特に墨色と青墨の出番が多いです。
この子たちの最大の魅力は細い線が描きやすいこと。ぺんてるより若干薄い色合いなので、控え目な輪郭を取るときに役に立ちます。
ぺんてるの筆ペンとは違い交換カートリッジがないため、使い切りな点は注意が必要です。
インクの違いについて
筆ペンはインクの種類には顔料と染料があります。
細かい話は置いておいて、簡単に言うと
顔料:水に溶けにくい → にじみにくい
染料:水に溶けやすい → にじみやすい
です。
己書では筆ペンで文字を描くだけでなく、水彩絵具で描いた絵に筆ペンで輪郭を取ったり、絵の上に重ねて文字を描いたりします。その際に染料インクを使うとにじみやすくなるので、顔料インクを使った方が安心です。(ちゃんと乾いていれば染料でも重ね描きできますが、しっかり乾かさないとにじんでしまいます。)
一方で、水墨シリーズの所でも記載しましたが、水で薄めて使う場合は染料インクを使うことで、独特のぼかし表現ができます。これを上手く使うと綺麗なグラデーションが描けますので、是非挑戦してみてください。
筆の太さについて
これまでの紹介の中で、中字があれば何でも描けると言ってきましたが、実際のところ細字と中字でどのくらい違うのか比較してみました。
上の写真は、ぺんてるの中字と極細の比較です。
筆の形状を見ると、筆の長さは同じくらいで、根元の方に差があるのが分かると思います。
一方で、ペン先はそれほど大きな差が見られません。
それぞれの筆ペンで細い字、太い字を描いてみると、中字でも極細と同じくらい細い字が描くことはできますし、極細でも中字と同じくらい太い字が描けます。
好みの部分もありますが、極細は筆先が柔らかいため力加減がデリケートで、細い字を描くのが逆に難しいと感じることもあります。
それゆえ、己書J’s道場では基本的には中字を使い、どうにも細い字が必要な時は「ささやき」か「彩」を使うようにしています。
水彩絵の具はホルベインの透明水彩
己書では筆ペンによる文字だけでなく、水彩絵の具を使って背景に色を塗ったり、ちょっとした絵を描いたりします。
筆文字だけでも味がありますが、ワンポイントでイラストが入ると更に文字が際立ち、見た目の作品感が高まります。
おそらくほとんどの方が中学の美術の授業以来絵の具なんて使ったことが無いと思いますが、改めて絵の具を使うととても楽しいです。
何を隠そう、わたくし中学の時の美術の成績は1で水彩画は嫌いでした。
己書を習う中で水彩画に触れていくにつれて、改めてその楽しさにハマりました。
中学の頃の水彩画嫌いは何だったんでしょうね?
さて、己書道場では水彩絵の具はホルベインの透明水彩を推奨しています。
ホルベインは水彩画で定評のある国産の絵の具です。
ホルベインの透明水彩を使う際は、パレットに絵の具を出して一旦乾燥させます。
そして乾燥させた絵の具に水を加えて色を作っていきます。
使い終わったらそのままにし、再び乾燥させます。
そうやって繰り返し使っていくため、パレットを洗うということはありません。
ですので、パレットはこんな感じです。
ホルベインは原色で使うというより、混ぜて色を作るというのが基本の考え方とのことで、ちょっと絵を描くとこんな感じでグシャグシャになります。
己書を習いたての頃は、原色を中心に控え目に使っていたのですが、師範試験直前くらいに『ホルベインは混ぜてこそ!』というアドバイスを頂いてからは遠慮なく混ぜるようになりました。
それによって色作りが楽しくなり、描ける絵のバリエーションも増えました。
己書J’s道場では生徒さん向けに貸し出し用の絵の具パレットも準備していますので、まずは手ぶらで参加して頂けます。
慣れていくうちに家でも描きたいという想いが強まったら、是非マイパレットを準備しましょう。
以下にマイパレットを作るポイントを紹介しますが、まずは道場師範に相談してみてください。
パレットの選び方
パレットは24色以上の仕切りがあるものが望ましいです。
また、量販店で取り扱っているパレットはプラスチック製が多いですが、アルミ製がお勧めです。
頑丈なのと、色が染み込まないので掃除する際にもウエットティッシュで拭き取るだけで綺麗になる点がメリットです。
ホルベインの色の選び方
ホルベインの透明水彩はメーカーのホームページを見ると記載されていますが、全108色です。
さすがに全色用意するのも大変なので、その中からピックアップすることになります。
私のセットは生徒時代に師匠から勧められた色で構成されていますが、その後様々な絵を描いていても困ったことはないので、まずはこの組み合わせで良いと思います。
基本となるのが、W403の18色セットです。
ホルベイン 透明水彩絵具 18色セット W403 5ml(2号) 00340318色の中身は以下の通りです。
W010 クリムソン レーキ
W012 ローズ マダー
W019 バーミリオン ヒュー
W032 ジョーン ブリヤン No.2
W035 パーマネント イエロー レモン
W037 パーマネント イエロー ディープ
W034 イエロー オーカー
W066 パーマネント グリーン No.1
W067 パーマネント グリーン No.2
W061 ビリジャン ヒュー
W096 コンポーズ ブルー
W091 コバルト ブルー ヒュー
W097 プルシャン ブルー
W112 ミネラル バイオレット
W134 バーント シェンナ
W133 バーント アンバー
W138 アイボリ ブラック
W002 チャイニーズ ホワイト
これに単品で以下の色を追加しています。
W007 ピロール レッド
W013 オペラ
W025 ブリリアント ピンク
W153 グレイ オブ グレイ
W190 ゴールド
W191 シルバー
この24色をパレットの中に入れて使用しています。
他に好みの色があれば、それを加えてもいいと思います。是非貴方だけのパレットを作ってみてください。
水彩用の筆について
絵の具を使用する際には、筆ペンとは別に水彩用の筆が必要となります。
色を塗る領域に応じて、太さや形状を選択すると塗りやすいです。
ぺんてる NEO-SABLE
水彩用の筆はこれ一択でいいのでは?
というくらい使いやすい筆です。
初めの頃は0号、14号平、14号丸をよく使っていましたが、最近になって18号丸を使うようになってからは、細いところも太いところもこれ一本で描くようになりました。
6号丸も持っていますが、一回も使ったことがありません。
NEO-SABLEシリーズは筆先の硬さ、持ちやすさなどトータルでみても抜群です。
人気の筆なので、一般量販店の文具コーナーでも取り扱われており、入手もしやすいのが有難いです。
あかしや ART SABLE short 2号
ぺんてるNEO-SABLEに出会う前に何となく買った筆ですが、重宝しています。
0号だと細すぎて、6号だと太すぎる…そんな絶妙な所を塗る時に活躍します。
タミヤ モデリング ブラシ 面相筆・細
0号でも足りないくらい細い線を描く必要があり、どうしようと悩んでいた所でガンプラを思い出しました。
タミヤなら極細の筆があるのでは?
玩具屋のガンプラコーナーで見つけたのがこれです。
はがきサイズの場合、絵自体が小さくなってしまい細かい線を描くことが要求されますが、そういう場面で非常に役に立ちます。
己書の世界は、上手に描くのではなく楽しく描くことが大前提。
道具を揃えると楽しさが倍増します。
マイツールを揃えて己書の世界を楽しんでください。